コミュニケーションが改善し情報共有が高まったことで業務の効率化と繁忙期の外注費などコスト削減を実現。
社内も明るい雰囲気になり休日も増えました。

サン電子工業株式会社 代表取締役 坂本信吾様に、就業規則の改定とコミュニケーション改善のコンサルティングを当事務所にご依頼いただいた背景とその効果について詳しく伺いました。

会社概要についてお聞かせください

サン電子工業株式会社
代表取締役坂本 信吾

当社は1975年11月、私の父を含む3人が創業した船舶の保守・メンテナンス会社です。
顧客は米軍や自衛隊で、当初は弱電に特化しレーダーや無線機などの修理を中心とした業務を行っていましたが、徐々に船舶全体の電気関係に携わるようになりました。私が社長に就任したのは 2016 年です。
時代とともに変わってきたのは、船舶にも光ファイバーが台頭してきたことですね。光ファイバーは陸と違って若干特殊な技術が必要になります。船は揺れて振動が多いため、陸と一緒の処理では壊れてしまうんです。当社としては、こうした新しい技術が出てきても、時代に遅れないようにアンテナを立てて頑張っていきます。

課題は就業規則の改定とコミュニケーションの改善

御社の課題についてお聞かせください

社長に就任し、すぐに2つの課題を解決しなければならないと思いました。1つ目は就業規則の抜本的な改定です。創業時、当時の一般的な基準を参考にしてつくった就業規則はマイナーチェンジこそ行ってきましたが、ベースは変わっていません。さすがに世間と大きくずれている気がしました。具体的には退職金規定や出張手当などですね。従業員が不利益を被っていないか懸念がありました。

2つ目はコミュニケーションの改善です。もともと当社はプロフェッショナルな職人集団ですから、個々の技術が重要になってきます。ただし、会社全体で見たとき、技術は会社を支えるひとつの要素にすぎません。業務としてスムーズに進めるためには技術に加え、従業員同士の円滑なコミュニケーションが必要だと考えていました。

円滑なコミュニケーションを図るため、私自身は少なくとも「これをやれ」といったようなトップダウンの指示をしてきたつもりはありません。個々の判断を大事にして、困ったときには相談に乗るというスタイルを以前から実践してきました。とはいえ、私も30年以上技術畑で働いてきたこともあって職人気質が強く、口が上手い方ではありません。社長に就任し組織のトップとしてのあり方を模索するなかで、社員とのコミュニケーションや社員同士のコミュニケーションに難しさを感じていました。

既存の社労士やコンサルタントはいらっしゃらなかったのでしょうか

もちろん、社労士さんはいました。ただ、遠方の社労士さんでしたから、当社まで足を運べるのは2~3カ月に1度程度。
良い方でしたが、現状を穏やかに維持する保守的な手法だったため、当社が求める改革には向かない可能性が高いと感じていました。ですから、社内に踏み込んでいただいて、就業規則の改定やコミュニケーションの改善を手伝ってほしいとは言えませんでした。

若手でコンサルティング業務を頼める社労士をピックアップ

社労士やコンサルタントに求めた要件をお聞かせください

事務的な1号2号業務だけでなく、3号のコンサルティング業務を提供している社労士さんを探すことにしました。そうなると、1号2号業務がメインのベテラン社労士さんよりも、新たな社労士像を目指し、コンサルティング業務に意欲的でフットワークの軽い若手の方がベストです。ネット検索や年金事務所などに出向くなどして、当社の要望を叶えてくれる社労士さんを探しました。

光武社労士を選定したポイントをお聞かせください

評判の良い社労士さんをたくさん調べましたが、実際のところ、コンサルティング業務に意欲的な若手の方は少ないのが現状でした。そんなとき、東京や福岡での社労士事務所勤務経験があり、現在も福岡や佐世保で活躍されている光武先生を知り、すぐに面談させていただきました。

光武先生は社労士だけでなく、社内コミュニケーションを推進するビジネス・コーチングの国際ライセンスを取得されているとのこと。コーチング自体はよく知らなかったのですが、就業規則や労務管理の相談に加えてコミュニケーションの改善をお願いできるのは最大のメリット。しかも、実際にお会いした光武先生は、常に冷静沈着という印象で頼りになる感じがしました。そこで2016年、社長就任後すぐに新たな社労士さんとして光武先生を招きました。

光武社労士が行った施策

光武社労士が行った具体的な施策を教えてください

課題であった就業規則の改定とコミュニケーションの改善業務の施策です。
具体的には以下の通りです。

コミュニケーションの改善業務

従業員面談・メンタルヘルス対策

年2回・1人30分

坂本社長と一緒に事前にヒアリングシートを作成(困っていること、会社に望むもの、労働時間、メンタルでの悩みなど)。
従業員一人ひとりとの面談を設け、それぞれが抱える悩みや希望をヒアリング。
ヒアリングシートの内容ほか、従業員からの具体的なアイデアや意見を聞くことで、メンタルの改善につなげていく。

社内会議(幹部MTG)

月1回・90分

社長と幹部が集まって会議に参加。
仕事の技術的な話のほか、今後の会社の方向性、人材活用、組織に関するアイデアなど、さまざまなテーマでディスカッションする情報共有の場、幹部同士が意見交換し合う場を構築。

社長・幹部候補向けのコーチング

月2回・60分

具体的な課題や目標をもとにした継続的なコーチング。
社長・幹部候補が持つ課題や目標について話を伺いつつ、自身で課題解決・目標達成を実現するための「気づきと行動」を導いていく。

コミュニケーショ研修

2回実施
1回目 一般社員向け
2回目 管理職向け

行動特性診断に基づいた研修。
行動分析を通じ、行動の起因となっている認知の傾向や感情の傾向を個別に解析して、さまざまな言動パターンを理解するとともに行動レベルでの自己理解を明確化。管理職向けにはマネジメント手法に特化した行動特性診断の研修を実施

採用面接への立ち合い

数回

採用面接における法律面のアドバイスに加え、効果的な面接にするための事前設計(質問づくりやシミュレーションなど)を実施。
面接にも同席し、坂本社長の考える従業員像にそった人材かどうかを見極める際のサポートを行う。
※現在、リクルートは行っていません。

社労士業務

労務相談

随時

労務管理に関して疑問点や不明点があった時に会社の実情に合わせた改善指導を実施

就業規則等の改定

3カ月~随時

どんな会社・組織にしたいかなどを坂本社長・全従業員からヒアリング後、全就業規則の新規作成。法改正に伴う内容のブラッシュアップ、雇用契約書の作成・改定、社内文書の作成・改定

施策の効果

施策の効果についてお聞かせください

社労士業務について

まず、基本的な就業規則の改定を行い、会社の状況に合わせて徐々に労務管理や雇用契約書など、さまざまなルールの見直しを行っていきました。当初の懸案であった従業員への各種手当に関する規程も整備することができました。また、光武先生には働き方改革で男性の育児休業にも適用できる助成金を主導してもらい、無事受給することができました。こうした国や自治体のタイムリーな施策は分かりづらいところも多く、とても助かりました。

コミュニケーションの改善業務について <従業員面談・メンタルヘルス対策>

「従業員が普段何を考えて仕事をしているのか」が良く分かるようになりました。例えば、業務改善のアイデアやそこに込められた従業員の気持ちや、どんなところにフラストレーションを感じているのかが見えてきたのは大きな収穫です。この面談で生まれた従業員からのアイデアをヒントに改善をしていくことも多々あり、社内に一体感が生まれました。私ひとりでは気づかなかったこともありますし、光武先生と一緒に考えていくことで実現できました。
また、社員面談で従業員が気持ちを吐き出すことによってメンタルケアにもなり、何か予兆があった場合にもすぐ対応が可能。従業員本人もそうですし、会社としてのリスクを減らすことにも繋がっています。この従業員面談だけでも、光武先生には感謝しています。

<社内会議(幹部MTG)>

定期的な開催、議題の明確化、公平な発言権など、光武先生に細かくルールを決めていただいたおかげで、いつも有意義なディスカッションが行われています。参加者すべてに決められた時間の発言権がありますから、みんなの意見を聞くことができますし、会議自体が大いに盛り上がります。また、会議中は光武先生が方向を修正してくれるので、話が脱線してしまうこともありません。毎回、何らかの結論という成果が得られています。
さらに、そこから派生した従業員同士の自主的な定例会議や、定期的な社内勉強会の開催など、幹部MTGを起点に社内に良い影響が広がっているのを実感しています。

<社長・幹部候補向けのコーチング>

坂本社長:「あなたはどうしたいのですか」「あなたはどう考えているのですか」というような質問が大半。頭をフル回転にしないと答えが出てきません。例えば、「どういう会社にしたいと思っているのか」と聞かれたことがあったのですが、あらためて考えてみると、頭のなかに想いがあるだけでした。言葉にすることで、頭のなかの想いが明瞭化していくのを感じ「これがコーチングか」と思った次第です。曖昧だった想いや目標といったものが、どんどん形になっていく光武先生のコーチングには頭が下がります。

中村さん:毎回、自分の課題を中心としたテーマをもとに改善点を見つけていく感じの話をしています。最初、報連相がなかなかできなかったのですが、光武先生のコーチングを受けるなかで少しずつ改善していきました。仕事のやり方も徐々に学んで、今はリーダーとして取り組めるようにもなりました。社長からは「最近はリーダーらしくなってきた」と言われます。光武先生のコーチングはしっかり自分のためになっていると思っていますので、これからもよろしくお願いします。

<コミュニケーション研修>

今まで正解は1つと思って人と接してきましたが、実はそうではなく、人には多面性があり、同じ言葉でも人によって取り方は異なることを学びました。コミュニケーションをとるうえで、そういった考えを持ってこなかったので、とても新鮮な研修でした。受け取る側も、私の発言が思いもよらない言葉だったりすることがあるわけですよね。もっと深く学びたい気持ちもあるので、また開催してほしいですね。

<採用面接への立ち会い>

面接するにあたり、質問事項や面接の視点などのサポートしていただきました。良い人材を採用するうえで、大変助かりました。

コミュニケーションが活発に

コミュニケーションは改善されましたか?

従業員がいろいろ相談してくるようになりました。従業員同士、積極的に会話をしている様子も見られるようになり、明らかにコミュニケーションが活発になったと感じます。社内も明るい雰囲気になったと思います。

コミュニケーションの改善は業務面にも反映されていますか?

以下の部分で業務に大きな効果がありました

<情報共有による作業効率の向上>

コミュニケーションが改善されたおかげで、作業効率が格段に向上しました。以前は、チーム内の業務スケジュールや進捗状況の共有が不十分なまま現場に向かうこともあったようですが、現在はリーダーを通じて各チームの状況や各現場の進捗が全員に伝わっています。「自分の仕事の段取りができている」「他チームも含めて業務のベクトルを共有している」わけですから、現場で協力しあう雰囲気ができあがり自ずと作業効率は上がっていきます。

<休日の増加>

作業効率が向上すれば、余計な業務に足を引っ張られることはありませんから、十分に休めるようになります。従業員面談を通じて休日の増加は従業員の要望だと分かりましたので、引き続き会社としては作業効率の向上に努め、しっかり働いてしっかり休める体制を整えていきます。

<経費の削減>

以前は仕事が立て込んでくると応援スタッフを外注し、マンパワーで乗り切るスタイルをとっていました。作業効率が向上した現在、それぞれのチームの現場で最適化が図られ、チーム同士の協力体制が生まれた結果、当社の従業員だけで業務をこなせるようになりました。外注する経費が不要になり、会社としては大きなコスト削減は喜ばしいこと。こうして浮いた経費は、従業員への手当などで還元したいと考えています。

サン電子工業に欠かせない光武社労士

光武社労士に対する率直な評価をお聞かせください

光武先生はとても気さくな方です。社員面談でも、従業員はストレスを感じてないと思います。そういったオープンな姿勢が会社の中で広まったからこそ、活発なコミュニケーションにつながっているのではないでしょうか。

また、光武先生は従業員面談の際、「自分のなかに留めておくべきか」「社長に報告すべきか」をしっかり見極めています。だから従業員も光武先生を信頼して相談するのだと思います。とにかく、一方的ではないのが良いですね。一緒にお互いが成長できるような関係性で取り組んでいるので、会社にも溶け込んでいる感じがします。サン電子工業には欠かせない存在と言えますね。

光武社労士へ今後の期待をお願いします

当社はコミュニケーションを含め、まだまだ改善点はたくさんあると思っています。頼りにしていますので、今後も変わらないサポートを期待しています。

光武から一言

新人や若手の方に対し「何かあった時の上からの右向け右という号令にただ漫然と従うだけではなく、『本当にそうなのか』『左にヒントはないのか』と一瞬でも考えることが大事」と語る坂本社長は、個々の自主性を重んじ、なおかつ従業員の皆さんとのご縁も大切にされる方。こうした坂本社長の従業員に対する考え方に、私はすごく感銘を受けました。

また、坂本社長は「建設的な議論ができること」を大切にされる方です。ベテラン従業員はもとより、若手従業員の声にもしっかりと耳を傾けられる姿勢からもうかがい知ることができ、これまで蓄積されてきた経験に比例する「人としての器の大きさ」を感じます。

実際、面談させていただくなかで「サン電子工業が好き」とおっしゃる従業員の方は大勢いらっしゃいます。また、近年入社された方のなかには、既存の従業員の方からの勧めで入社された方が数名在籍しており、皆さん活躍されています。「従業員が知人・友人に入社を勧めたくなる」会社、それがサン電子工業様なのではないでしょうか。これも、坂本社長の人柄なのかなと感じるところですね。

私自身、サン電子工業の従業員の皆様には坂本社長と同様「幸せになってほしい」という想いがあります。だからこそ、従業員に対する坂本社長の想いと従業員の皆様の声を「コミュニケーション」と「コンプライアンス」の両面からカタチにしていくことが私の役割であると考えています。

サン電子工業株式会社
所在地 :〒857-0063 長崎県佐世保市立神町23-30
代表者名:代表取締役 坂本 信吾
従業員数:16名
主な業務:電気修理及びメンテナンス、レーダー・アンテナシステムの修理
https://www.san-denshi.co.jp/

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